= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.038

2008年9月5日
(毎週金曜日発行)


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エルムズレイカウントに関する質問

増田行治さんからつぎのメールをいただきました。

Card Magic Library 第2巻が、エルムズレイカウントがテーマということで、以前より気になっていたことを質問させていただきます。

4枚でこの技法を行う場合、まず、右手で保持した4枚のパケットのトップカードを右親指で押し出し、左手に取ります。

次に左手のカードを右手のボトムに戻しながら、右手の上2枚のカードを右親指で押し出します。このカウントのキモはこの第2弾にあるわけですが、ここでカードがずれたりしては元も子もありません。初心者の頃、なかなかうまくいきませんでした。できた!と思っても、鏡で見ると、ガッチガチに力んだ不自然なムーブでした。

練習を重ねるうちに、上2枚のカードを親指で押し出すのではなく、下1枚のボトムカード人差し指で引くようにすると、力の抜けたスムーズな動きができることに気づきました。

これだ!!と思って、多くの書籍に当たりましたが、どの本にも人差し指で引け、とは書いていません。「親指で押し出す」です。

「カードマジック辞典」「ロベルト・ジョビーのカードカレッジ」
「ラリー・ジェニングスのカードマジック入門」しかりです。

相対論的には、トップ2枚を押し出すのと、ボトム1枚を引くのでは同じように見えますが、後者のメリットとして次のことが挙げられる思います。

1 トップ1枚のカードが比較的ずれにくい
2 指に入る力がかなり少なくてすむ

いずれも上級者の方にはどうでもいいことのように思えますが、初・中級者にはこちらの方がよいのではないか、と考えます。

今改めて、エルムズレイカウントをしてみると、親指3、人差し指7ぐらいで押しつつ引いていることに気づきました。

ご意見賜れば幸いです。

増田さんが指摘されたことは、Card Magic Library 第2巻の中に書きました。親指で押すのではなく、人さし指で引くというのは、エルムズレイカウントのコツの序の口です。もっとたくさんのポイントがあります。多くの解説書を読み、エキスパートのDVDを見て、エルムズレイカウントほど、きちんと解説されてこなかった技法はないと気づきました。

カードカレッジの解説には、"左親指でトップカードを左上にずらしてから、右手をカードにかける"と書いてあります。"カウントシソーラス"におけるラカバマも同じです。これは、大きな間違いです。

第2巻は、知識を学んでいただくものであると同時に、エルムズレイカウントを正しくマスターしていただくレッスン書でもあります。


Card Magic Library 第2巻 内容紹介

第2巻では、エルムズレイカウントに関する章が、175ページを占め、ダブルリフトよりもやや規模が大きくなりました。それだけ、エルムズレイカウントが、現代カードマジックにおいて重要な役割をはたしているということです。

第5章 技法解説 エルムズレイカウント

Part 1 エルムズレイカウントの誕生

このパートは、アレックス・エルムズレイがエルムズレイカウントを考案するきっかけとなった、ラルフ・ハルの'アセンブリーオブジャックス'の作品解説から始まります。そして、エルムズレイが初めてこの技法を使った作品'フォーカードトリック'や、技法そのものの土台となった'フォーアズファイブカウント'や'アイカウント'なども紹介されています。

Part 2 エルムズレイカウントを練習するまえに必要なこと

このパートでは、マジシャンが技法習得に関して勘違いしやすいことを指摘して、エルムズレイカウントを正しく習得するための、知らなくてはならない基本概念を学んでいただきます。

Part 3 エルムズレイカウントのエッセンス

このパートでは、具体的にエルムズレイカウントの要所要所のポイントを示します。エルムズレイカウントは、スムーズにできるればよいという技法ではありません。スムーズにやろうとすることが、かえって重要なポイントをおざなりにする結果となりがちです。

Part 4 グリップ一覧

このパートでは、演ずる作品に的確に対応するために、シチュエーションに合わせたカードの保持法を網羅しています。

Part 5 関連技法

このパートでは、ジョーダンカウントなど、エルムズレイカウントの関連技法を15種類解説しています。



このあと、エルムズレイカウント使用作品の章になりますが、次号にて紹介いたします。

ではまた来週。