= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.065

2009年3月13日
(毎週金曜日発行)


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Card Magic Library 第3巻の内容紹介

= 第10章 フォーオブアカインドリビレーション =

パート5 マジシャン vs ギャンブラー系

現存する世界最古の奇術文献と言われる、1958年発行の"妖術の開示"。その中に解説されたカードマジックは、フォーオブアカインドリビレーションでありました。デックをカットするとボトムにAが現れ、4枚のAがつぎつぎと現れたあと、4枚のAがいっぺんに4枚のJに変わってしまうという、今日演じてもパワフルな現象でした。そのカードマジックが時代の流れとともに姿を変えて、現代カードマジックの傑作のひとつ、'マジシャン vs ギャンブラー'となりました。

1958年 4枚のAを出現させ、4枚のJに変える方法 (妖術の開示)
1902年 間違いを正す (ヘンリー・ハットン)
1938年 対決ストーリーの原点 (アート・ライル)
1959年 マッチクングザカード (ダイ・バーノン)
1959年 バッシュフルクイーンズ (ヤコブ・ダレイ)
1973年 2人のギャンブラー対マジシャン (ファザー・シプリアン)
1977年 タイトルバウト (マーチン・ナッシュ)
1999年 21世紀のギャンブラー対マジシャン (ジェイムス・スウェイン)
2001年 バージョンX (加藤英夫)
2008年 ミステイクリバース (ホワン・タマリッツ&加藤英夫)

以上の10作品を紹介し、'マジシャン vs ギャンブラー'の最古版から最新版までの変遷を見ていただきます。

パート7 セルフワーキング系

このパートでは、テクニックを使わないでフォーオブアカインドを出現させる、セルフワーキングトリックを5作品収録いたしました。その中でも、カール・ファルブズの作品をパワーアップさせた,'フリップオーバーミラクル'は、今回の執筆作業中で最大の新発見でした。あまりにも素晴らしい現象なので、最近はパケットトリックとして、こればかり人に見せています。つぎのような現象です。

16枚のカードを相手によくシャフルさせます。マジシャンは16枚を4x4のマトリックス状に並べますが、あるカードは表向き、あるカードは裏向きに、まったくランダムに並べます。

ここから先は、相手が自由にカードを集めますが、つぎのように集めます。任意の1枚のカードを隣りにひっくり返しながら重ねます。また好きなカードを隣りにひっくり返しながら重ねます。重なったカードを隣りに重ねるときも、ひっくり返して重ねます。そのような操作を繰り返して、16枚をひとつのパイルに集めます。

16枚を広げると、4枚だけ裏向きのカードがあります。他のカードは表向きです。4枚を表向きにすると、それらは4枚のAなのです。


列ごとにひっくり返す、'王様のカーペット'に似ていますが、カードごとにひっくり返すので、ハンドリングがスムーズにできる点が違います。しかもシャフルされたカードで演じる点が、不思議さを何倍にもアップさせています。

パート8 キッカーエンディング系

キッカーエンディング系のマジックとは、いままでの流れと違う、意外な結末でショッキングに終わるタイプのマジックのことです。ニック・トロストの'ダブルディーリング'では、4枚のKを現すと言って進めて、4枚のKの出現のあと、4枚のQまで現れてしまいます。

'3つの予言'は、ボブ・ハマーを原点として、サイモン・アロンソンの'シャフルボワード'を経由して、さらに新しいキッカーエンディングが加えられました。つぎのような現象です。

相手が1組のカードを、裏向きと表向きで、まったくでたらめに混ぜてしまいます。裏向きのカードを数えると、第1の予言通り19 枚あります。絵札を抜き出すと、第2 の予言通り6 枚あります。残りのカードから偶数のカードを抜き出すと、第3 の予言通り9 枚あります。最後に残った4 枚を表向きにすると、それらは4 枚のAです。

これらの作品を含めて、キッカーエンディングで終わるカードマジックが、7作品収録されています。

パート9 マルティプルスペクテイター系

このパートには、複数の客がカードを持って同じようなことを行うと、その結末として、それぞれの客のカードの中に同数カードが現れるというタイプのマジックが5作品収録されています。'バーノンズバリアント'を複数化した'カトーズバリアント'は、つぎのような現象です。

3 人の客とマジシャンが表向きのカードを4 枚ずつ持ちます。「私のカードだけに魔法をかけておきます」と言って、マジシャンは自分のカードにだけ魔法をかけます。それから4 人が同じように、何回かカードをひっくり返したり、上から下にまわしたりします。カードを広げると、3 人の客のカードは全部表向きですが、マジシャンのカードだけ1枚裏向きになっています。

また4人が4枚を表向きに持ち、こんどは3 人の客が魔法をかけます。マジシャンのカードにはかけません。先ほどと同じことを行いますが、こんどは客の方は1枚だけ裏向きになっていますが、マジシャンの方は全部表向きです。「この魔法はあとからかけてもいいんです」と言って、マジシャンのカードに魔法をかけると、1枚のカードが裏向きになります。最後に、全員が裏向きのカードを表向きにすると、それらは4 枚のAです。


セルフワーキングトリックの大傑作、ジム・スタインメイヤーの'ナインカードプロブレム'を、英語のスペルではなく、数で演じられるバージョンも解説されています。

この章に収録された作品は、商品名が印刷されたカードを現すようにアレンジすれば、トレードショーなどの商品宣伝アクト、テレビコマーシャルなどにも使えます。

パート10 その他

その他様々な現象の作品が11作品収録されています。中でも、私の'トライアンファントエーセズ'は、完全にデックが裏表混ざっている状態を見せた直後に、カードがそろってしまい、4枚のAだけリバースしているという強烈なものです。



以上のとおり、Card Magic Library第3巻は、ホフジンサーのカードマジックの全体像を学べるとともに、インパクトの強い、様々なタイプのフォーオブアカインドリビレーションをレパートリーとしていただける、豪華絢爛な内容となりました。以下をクリックして、序文と目次をご覧ください。

序文と目次

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これからもがんばって書き続けます。よろしくお願いいたします。

ではまた来週。