= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.242

2013年12月13日

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1782年に存在していたトリックカード

ストリッパーデックについてインターネットで検索したところ、1782年発行のDr. W. Hooper著、"Rational Recreations第4巻"に記述があると指摘があったので、同書を調べました。


ストリッパーデックの記述を見つけるまえに、たいへん貴重なものを見つけました。何とロングカードについて書かれていたのです。名称も現代と同じく'ロングカード'でした。直訳ではありませんが、フーパーが書いているトリックを原著に忠実に記録いたします。

カードオブディヴィネーション
= ドクター・フーパー解説、"Rational Recreations Vol.4"、1782年 =

パックの中にロングカードを入れておきます。パックを広げますが、ロングカードが取りやすいように広げて、1人目の客にロングカードを取らせます。見ておぼえさせたらパックの中に返させて、パックをシャフルします。それから2人目と3人目の客に同じことをやります。3人は同じカードを取ることになります。

バックをよくシャフルしたあと、あなたは適当なカードを3枚抜き出しますが、その中にロングカードを含めます。3枚を広げて、3人の客に見せて、「あなたのカードがありますね」と言います。全員が肯定します。


このトリックにロングカードが使われていることのみならず、いわゆる'ゼネラルカード'の現象の土台になっていると考えられる、同じカードを多数の客にフォースするという概念が見られます。'ゼネラルカード'が初めて現れたのが、1877年のエドウィン・サクス著、"Slight of Hands"でしたから、その概念はフーパーが95年先行していたことになります。

なおフーパーは、上記の演技に続けて、つぎのように演じてもよいと書いています。

そのあとロングカードをパックに入れてシャフルしたあと、ロングカードからカットして、ロングカードを1人目の客だけに見せます。またパックに入れてシャフルし、同様にカットして2人目にロングカードを見せます。さらに3人目に対して同様にやって見せます。

ストリッパーデックについては上記トリックの数ページあとに、'Inverted Cards'という題名で、選ばれたカードを逆向きに返させて当てる、現代と同じやり方が書かれていました。'ストリッパーデック'という名称は使われていませんでした。他の情報からも、この記述がストリッパーデックの原点とされているようです。