= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.258

2014年4月11日

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間違っていたカードトリック

"カードマジックショーアップ講座"、2004年2月16日号に、'リサイクルカード'というダウンアンダーのトリックを解説いたしました。そのトリックを書いた時点では正しいやり方がわかっていて、やり方を正しく書いたつもりだったのですが、時間がたってから読んだら、文章に間違いがあったために、説明通りにやってもできませんでした。私が読んでできなかったぐらいですから、当時たいていの方ができなかったと思います。

ちゃんとできれば面白いトリックですから、正しいやり方で再録することにいたしました。なお原著のタイトルは'リサイクルカード'でしたが、このあと説明する演出を含めて、'運命のエリミネーション'と変えることにいたしました。

運命のエリミネーション
=加藤英夫、"カードマジックショーアップ講座"、2004年2月16日 =

方 法

16枚のカードを使います。ボトムカードに上向きのクリンプをつけておきます。

「不思議なカードの減らし方をやります。このように1枚のカードを捨てて、つぎのカードを下にまわします。1枚捨てて、1枚まわすというのをやっていきますので」というセリフを言うまでに、セリフに合わせて1枚のカードを捨てて、つぎをボトムにまわし、つぎを捨てて、つぎをボトムにまわす、というところまでやります。そこで手を止めて、セリフを続けて、「いつでもいいですから、私がこちらにカードを捨てたところでストップをかけてください」と言います。「こちらに」と言うときは、テーブルに捨てたカードを指さして言います。

間違った説明では、1枚捨てて、1枚ボトムにまわし、1枚捨てたところで手を止めて、上記のような説明をするように書かれていたのです。あくまでもダウン、アンダー、ダウン、アンダーとしたところでストップしなければいけないのです。

ダウンアンダーを再開します。あくまでもダウンからの再開です。そしてストップがかかったら、そのときダウンしたカードを取って表を見せ、「このカードは捨てられる運命にありました。しかしあなたはこのカードの運命を変えたのです」と言って、そのカードを手元のパケットのクリンプカードの下に挿入します。

カードを相手に渡して、ダウンアンダーをやらせます。最後に先ほど見せたカードが残ります。「運命が変わったので、先ほどのカードが最後に残りました」と言って終わります。


以上の文は間違いの部分を直した以外は原文のままですが、ひとつ重要な部分が曖昧に書かれています。それは、そしてストップがかかったら、そのときダウンしたカードを取って表を見せ、と書かれていますが、それは相手にだけ表を見せるのであって、あなたが表を見てはいけません。あなたはその時点でそのカードを知っていてはいけないのです。そして相手に見せたとき、そのカードをおぼえてもらうようにします。

そして最後に1枚のカードが残ったら、「あなたが先ほど見た、運命を変えたカードは何でしたか」たずねてから、「運命が変わったので、最後に出てきました」と言って、そのカードを表向きにさせるのです。

ちょとしたことで、マジックの不思議さはドラマチックにもなり得ますし、そうでもないことにもなり得るのです。

上記の通りでもマジックとして成立すると思いますが、ちょっとした話をつけることを考えてみましょう。

「世の中の職業には、採用されるのに狭き門といわれるようなものがあります。今日はマジックを使って、運命を変えることにトライしてみます」と言ってスタートします。

「ここに16人の受験者がいますが、1人が減って、1人が残り、1人が減って、1人が残り、とやっていきますが」というところまでで、ダウンアンダーを2回やります。「どこでもいいですから、私がこちらにカードを捨てたときにストップをかけてください」と言います。

あとは上記の説明通りにやって、最後のセリフをつぎのように変えます。「あなたが運命を変えた結果、どのようになったでしょうか。あなたが運命を変えたカードは何でしたか」とたずねます。

相手が答えたら、「ではそのカードを表向きにしてください」と言って、最後に残ったカードを表向きにさせ、「ということで、このマジックは大成功です」と言って締めくくります。