= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.264

2014年5月23日

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Card Magic Video Lesson 第30回

0035 http://www.youtube.com/watch?v=jmfTj_dEfbY

この映像のトリックは、1914年に発売された、デランドの'インバート'という、ダブルバック半分、ノーマルカード半分で演じる、裏表混ぜたカードがそろうというトリックに原点があります。

1948年にU.F.グラントが発売した'トークトゥーチーク'は、デランドの'インバート'をパクったという節もありますが、デランド作品では裏と表が混ざったデックの向きがそろう、という現象であり、今日'チークトゥーチーク'として演じられているものは、'トライアンフ'と同様に、選ばれたカードだけがひっくり返っているという現象になっています。もしもグラント作品がそのように演じるものなら、パクったというのではなく、素晴らしい作品に改案したという方が適切であると思います。

今回、'インバート'について調査するうちに、それが商品として発売された1914年8月に、雑誌"フェニックス"にやり方が解説されているのを見つけました。発売と同時に雑誌にやり方を公表するぐらいですから、それでも商品が売れるという自信作であったのだと思います。

その解説を読むと、裏と表をシャフルによって混ぜているのではなく、デックを裏向きに持ち、最初のカートを表向きに置き、つぎのカードを裏向きに置き、そのあと表、裏、表と交互に置くことによって混ぜています。

さて映像のバージョンはいかがでしたか。私は素晴らしいバージョンだと感じました。ひとつ残念なのは、カードを選ばせるのにフォースしなければならないことです。フォースではなく、半分のノーマルカードの方から表向きに1枚のカードを抜かせる、と言うやり方で無理にひとつのやり方を作りましたが、そのようにやると、どうしても最後に選ばれたカードの裏面を見せると、デックの裏面と同じになってしまい、選ばれたカードだけ裏面が違っていた、というこの映像のバージョンの良さが実現できませんでした。

よく考えてみたら、このトリックはカード当てではないのです。最初にドリブルオフフォースで1枚抜き出すのは、使用するカードを決めるという理由でやるのですから、フォースでもおかしくはないのです。無理にその部分を変えて、最後の現象をつまらなくしては、何の意味もないのです。この映像のままで完成していたのです。