= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.269

2014年6月27日

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21カードトリック+エイトカードブレーンウェーブ

マジックカフェで'21カードトリック'が論議されたとき、Braunmagicというメンバーからつぎのような投稿がありました。

私がここ数年やってきたやり方は、21トリックをつねに表向きでディールしてやるものです。通常のやり方のように進めて、相手が思ったカードを当てます。当てても相手はそれほど驚きません。そこで私は言います。「でも私はあなたがクラブの3を選ぶとわかっていましたから、そのカードだけ裏が違うカードにしておきました」。そして選ばれたカードが赤裏で、他のカードが青裏であることを見せます。

この投稿を読んですぐ私は投稿しました。

Braunmagicさん、あなたのトリックの現象説明を読んだだけで、私はとってもびっくりしました。

他のメンバーも驚いたらしく、彼は多くのPMを受けたとのことです。ということで彼はそのあと、彼のやり方のヒントを投稿しました。彼はパケットスイッチかDSTを使うというのです。私はがっかりしました。パケットスイッチを使うなら、どんなトリックにおいても、最後にパケットスイッチすれば、使っていたカードの裏面の色が変化する、という現象ができてしまいます。

しかし彼が述べた現象には魅力があります。パケットスイッチしないで実現できないかと私の脳は活動を始めました。すぐに思いついたことは、最初から色違いのカードが混ざっていて、21カードトリックの操作を行ったあと、'エイトカードブレーンウェーブ'の手法で選ばれたカードだけ裏面が違うことが見せられないか、ということです。

'エイトカードブレーンウェーブ'のオルラムサトルティで裏面が同色であるのを見せるには、奇数枚でやらなければなりませんから、最初に使うカードはひとつのパケットが偶数枚である必要があります。私はつぎのようにやってみました。

青裏のカード8枚、赤裏のカード8枚、緑裏のカード8枚を重ねておきます。それらを表向きで3つのパケットに分けてテーブルに置きます。それぞれのパケットの裏面は違うことになります。もちろんこの時点では、裏面を見せていません。

相手に好きなパケットを取って広げ、好きなカードを思わせます。そのパケットが中央になるように3つのパケットを重ねます。それからまた3つの組に表向きのままディールしますが、どの組に相手のカードが入るか見ていてもらいます。相手のカードがどの組にあるかたずね、それが中央になるように重ねます。その操作をもういちど行います。

選ばれたのカードの入ったパケットを取って、裏面の混ざりぐあいを見たら、「ざんねーん」でした。3色が入り交じっていて、オルラムサトルティのできる状態ではありませんでした。

「ならばしかたない。こんどはひとつのパケットを6枚でやってみよう」ということで、同様の操作を6枚の赤裏、6枚の青裏、6枚の緑裏でやったところ、「ピンポーン」、相手の選んだカードのあるパケットを取って裏面を見ると、みごとに2色の裏面が交互になっていたのです。クリエーターにとって「やったー」と思うのは、このような瞬間です。

ひとつ問題が残っています。そのような'21カードトリック'の操作では、最後にディールしたときに、相手のカードが下から3枚目になっている場合と、下から4枚目になっている場合があります。はたしてそれを判別する方法はあるでしょうか。わかってみればとても簡単なことでした。というわけで、久しぶりに傑作と言える作品ができたと思います。

色違いのカード当て
加藤英夫、2013年11月9日

準 備

赤裏6枚、青裏6枚、緑裏6枚を重ねておきます。表面はよく混ざっているものとします。

方 法

カードを表向きで取り出し、両手の間に広げて見せたあと、上から6枚ずつ、3つの組にテーブルに置きます。この時点では裏面は見せません。

相手に好きな組を取らせ、それを広げて1枚のカードを心の中で選ばせます。そのパケットを受け取り、3つのパケットの中央になるように重ねます。

表向きで左から右に3つの組にディールしますが、どの組に相手のカードが入るか見ていてもらいます。どの組にあるかをたずね、その組が中央になるように3組を重ねます。

もういちど左から右に3つの組にディールして、どの組に選ばれたカードがあるかをたずねます。相手が左の組と言った場合は、選ばれたカードはその組の上から3枚目にあります。相手が右の組と言った場合は、選ばれたカードはその組の上から4枚目にあります。中央の組に入ることはあり得ません。

その組を取り上げ、残りの2組はわきにどけます。「あなたが心の中で選んだカードを当てます」と言って、6枚を両手の間に広げて、相手のカードを抜いて前に置きながら「これがあなたのカードです」と言います。抜き出した相手のカードより上のカードをそれより下のカードの下に入れてそろえます。

「このようにあなたのカードを当てただけでは、それほど不思議ではないと思います。ですが私はこのマジックを始めるまえに、あなたが思うのがこのカードだと当てていたのです」と、前に置いたカードを指さしながら言います。

「その証拠をお見せしましょう」と言って、オルラムサトルティをやって手に持っている5枚の裏面が同色であることを見せます。それから「あなたが選ぶカードだけ色違いにしておきました」と言って、選ばれたカードを裏返します。

"Card Magic Magazine"の完了が早まります!

"Card Magic Magazine"第30号までの編集が終了いたしました。それにともない発行日を繰り上げます。詳細については、来週当誌にてお知らせいたします。