= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.275

2014年8月1日

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'フォーステン'を発展させる

ジム・スタインメイヤーの"シークエントインパジビリティ"(2010年)に、'フォーステン'というトリックが解説されています。以前たしかどこかに紹介した、日本に古くからあったサークルトリックの原理と同じものです。

あなたは後向きになります。図のどれかに指を置かせ、その数だけ時計まわりに移動させます。そうしたら、いま到着した数を見て、さらにその数だけ時計まわりに移動させます。そうしたら、「あなたはいまスペードの10を指さしています」と当てます。

スタインメイヤーの示した図には、2と4と6がダブっていて、5とJとQがありません。AからQまでが置かれていた方がよいと思い、考え始めたらすぐ見つかりました。どうしてスタインメイヤーがダブったもので満足したのか疑問です。私の見つけたのはつぎのやり方です。

Qを12時の位置に置き、以下時計まわりにつぎのように置きます。マークは適度に混ざったものとします。QはハートのQを置いたものとします。

Q、A、10、J、5、7、8、2、9、3、4、6。

あとはスタインメイヤーのと同じことをやれば、相手の指はハートのQに到達しますので、それを当てます。


ダブっているのを直しただけでは、せっかく持っている脳みそがもったいないです。つぎのように構成すれば、それはもうスタインメイヤー作品のバリエーションではなく、私の作品として記録しても許されると思います。

双子じゃなくて四つ子でした
= 加藤英夫、2013年11月13日 =

方 法

デックのトップとボトムにQをセットしておきます。そして12枚を前述のように時計の文字盤状に置けるようにしておきます。もう4枚目のQは、指を動かす代わりに使います。

12枚を時計の文字盤状に並べたら、4枚目のQを表を見せないで、相手に渡します。そして後向きになり、前述の説明をして、相手にそのようにやらせます。指の代わりにカードを置かせてやるのです。

裏向きのカードは文字盤上のQの上に到達します。そこで前に向き直ります。「じつは数の不思議な力によって、双子同士が引きつけられました」と言って、裏向きのカードを表向きにして、それもQであることを見せます。

「でもよく考えたら、Qは2枚ではなく4枚ありますよね。ですからQは双子ではなくて、四つ子のはずです。それをこちらのカードを使って確認して見ましょう」と言って、デックを取り上げて、トップとボトムを保つシャフルを行います。

それからいま表向きになっている2枚のQを使って、'ジェミニツイン'と同じことを行います。4枚のQが現れます。「やはりQは四つ子だということがわかりました」と言って終わります。


というわけで、正直に申し上げると、'ジェミニツイン'につなげるのを思いつくまでは、ただ前半だけで2枚のQを現しても、それほど実演価値があるとは思いませんでした。それだけでは不思議さの弱いトリックも、このように手順として演じれば、ストーリーの一部として効果を発揮するものだということを、今回の例で確認できました。