= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.280

2014年9月5日

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Card Magic Video Lesson 第32回

今回は、映像を見て、「えっ、そんなことをやるのか!」と驚いた映像を取り上げます。まずは、あの名人タマリッツの驚愕的なパケットスイッチをご覧ください。

0078 http://www.youtube.com/watch?v=cijBBxgcXgk

不思議を生み出す名人として、私が最大の敬意を抱いている、あのタマリッツ師が、このようなことをやるとは驚きました。シャツをめくって手を入れてのパケットスイッチです。これはまさに、カードをすり替えてエンドクリーンにしようとする動作が、エンドダーティになってる決定的な例だと思います。

0159 http://www.youtube.com/watch?v=KAJ-InT7xME&feature=related

優れたトリックではありますが、このままでは優れているどころか、現象を見せるのと同時に種明かしも見せていることになります。なぜ彼は、スペードのAという、ひっくり返したのが明白にわかるカードを使ったのでしょうか。

もしかするとライブでの演技なら、向きが変わったことを思いつく人は少ないかもしれません。しかし彼はこれをYouTubeで演じているのです。何度も繰り返し見られるメディアで、これをやってしまうとは。それとも彼は、反対側の穴がどうしてふさがったかということに、不思議さを表現したかったのでしょうか。

0227 http://www.youtube.com/watch?v=GrfoKAg472E

これを見て、私は心の中で叫びました。「普通のデックでやってくれー!」と。カードが裏なのか表なのかわからない。カードが赤なのか黒なのかわからない。その結果、まったく何をやっているのかわかりません。

これはアルド・コロンビーニの'コンタクトカラー'の演技です。コロンビーニの原案は、ノーマルデックで演じるものですが、'ストリッパーデック'を使用すると、このトリックの効果が数倍にもなります。ストリッパーデックバージョンは、"Card Magic Library"第10巻、170ページに解説されています。

今回は以上の3点だけにしておきますが、おそらく続編も書くことになるでしょう。YouTubeには、変な演技、悪い演技はいくらでもありますから。

今回取り上げた3つの例は、観客側から演技を見れば、それだけで良くない点に気づくものばかりです。はたしてマジシャンはいつになったら、コーチやアドバイザーを使うようになるのでしょうか。少なくともMr.マリック師は、私がお手伝いさせていただいていたときは、「加藤さん、このマジックを見てください」と、よく私に見せて意見を求めたものです。