= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.285

2013年10月10日

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Card Magic Video Lesson 第34回

0211 http://www.youtube.com/watch?v=VK_O8G5V_Tc

素晴らしいトリックだとは思いますが、さすがにあれだけシャフルしたカードで、全体がスタックされていないとできない現象を演じているのですから、どこかでデックスイッチしなければできないはずです。たぶんテレビ的に処理しているのでしょう。デレク・デルガウディオというこのマジシャンは、同じ番組の他の回においても、テレビ的手法を取り入れているように思えます。そのことについて考察するのが今回の主旨ではありません。

この手順の最後で、混ざっているように見えたスペードの13枚をディールすると、AからKが順番に現れるという最後の終わり方が素晴らしいので、そのアイデアを利用させていただこうと考えたのです。

彼がどのようにして順番に現せたかを見抜くには、映像をもういちど見て、混ざったように見える順でディールされるときの、数の順を見ればわかります。彼は、2、4、6、10、8、Q、K、J、9、7、5、3、Aの順にディールしました。

この順でボトムディールとノーマルディールを交互にやってください。このままだと10と8が逆順で出てしまうので、彼はいちど広げて8と10を入れ替えています。これがわざとやったのか、どこかで狂ったのでやったのかはわかりません。6のあとに10がディールされた方が、偶数が続けて出る印象が弱まるので、たぶん意図的にやったのでしょう。

さて、"Card Magic Library"第10巻、184ページに、'オーダーオブキングス'という私の作品が解説されています。現象はつぎのようなものでした。

デックを表向きにスプレッドして混ざっているのを見せたあと、さらに1回リフルシャフルします。そしてふたたび表向きにリボンスプレッドして、完全に混ざっていることを見せます。誰がよく見てもマークも数もよく混ざっています。1組を4つの組に分けると言って、中央あたりからカットして、半分を相手に渡します。そしてマジシャンと相手がそれぞれの組から、左右2つの組にディールします。そのようにして4つのパイルができました。

マジシャンは分けられた4つの組が、4つの王国を現していると説明し、それぞれの王国には王様がいるはずだと言って、1つの組を表向きでカットすると、フェースにKが現れます。他の組からも同様にKが現れます。王様が号令をかけると、それぞれの王国の臣下や民が整列すると説明して、号令をかけてからそれぞれの組を表向きにスプレッドすると、どれもそれぞれのマークのカードがAからKまで並んでいます。


この作品はそのまま演じても最高の効果を発揮しますから、改良しようと手を加える必要はありません。いまやろうとしていることは、デルガウディオのアイデアを借用して、少し違う味のトリックに仕立てることです。'オーダーオブキングス'と同じような手順で4つのパイルができました。それをつぎのようにそれぞれの組で違うプロセスでAからKを順に現すのです。

マジシャンズオーダー
= 加藤英夫、2013年11月19日 =

1組目を取り上げて、表向きに両手の間に広げて、混ざっていることを見せます。それからカードを裏向きにして、アンダーダウンしてAからKを順に現します。1枚アンダーしたら、つぎを表向きにディールするとAです。つぎをアンダーして、つぎを表向きにディールすると2です。ということを繰り返すのです。

2組目を取り上げて、やはり混ざっているのを見せたあと、「2枚ずつ取っていきます」と言って、トップとボトムを同時に取るミルクシャフルの取り方をして、取った2枚を同時に表向きにして置くと、それはAと2です。以下、トップとボトムから2枚ずつ取って表向きにしていくと、AからKが順番に並びます。

3組目は混ざっているのを見せてから、裏向きでチャーリエシャフルします。それから1枚ずつ表向きにディールすると、AからKが順番に現れます。

4組目は何もしないでただ魔法をかけてから、表向きにしてスプレッドすると、AからKが並んでいます。

3組目でデルガウディオのやり方を利用するのです。

参考までに、'オーダーオブキングス'の操作で4つの組に分けたとき、それぞれの組がどのような順になっていればよいかは、つぎの通りです。

1組目 7、A、Q、2、8、3、J、4、9、5、K、6、10。
2組目 A、3、5、7、9、J、K、Q、10、8、6、4、2。
3組目 2、4、6、8、10、Q、K、J、9、7、5、3、A。
4組目 A、2、3、4、5、6、7、8、9、10、J、Q、K。

3組目でチャーリエシャフルするとき、もとの順に戻るように行います。それとも、シャフルの仕方を決めておけば、シャフル後に適切な順になるようにセットしておくのも一案です。


今回の異なる操作でAからKを現すというアイデアは、209ページに解説されている、'ニューデックオーダー'に適用することもできます。

原理的には、2組目と3組目は同じですが、観客から見た目は違いますから、続けてやっても問題ではありません。