= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.299

2015年1月16日

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どちらを先に見せるべきか?

リチャード・カウフマンがテンヨーについて出版する本のタイトルが、"テンヨーイズム"と決定いたしました。進行状況は、レイアウトをほとんど終了し、あとは追加の写真を撮影して、貼り付けると編集終了とのことです。

だいぶまえですが、彼からつぎのようなメールがきました。

加藤さん、加藤さんの'Geometrick'についてですが、加藤さんはつぎのような演じ方をしていたそうですね。ESPの5枚の中から1枚選ばせますが、○か□のどちらかが選ばれるようにして、選ばれたカードを見せてから、'Geometrick'から中の板を引き出して見せると、それは選ばれたのと違う形の穴のものです。そこで板を中に戻し、3回まわしてから引出して、選ばれたカードの形と同じなっているのを見せます。

'Geometrick'というのは、日本名'エッシャーの穴'の英語名です。

彼は私が書いたというやり方の説明文を添付してくれて、それが正しいかどうかチェックしてくれと言いました。私はそれを読んで、○か□を選ばせるやり方があまり優れたものではないために、今回うまいやり方を考えてカウフマン氏に伝えました。

私は選ばせ方だけでなく、先に選ばれたカードを見せてから、あとから'エッシャーの穴'の方を見せる、というのが私はよくないと思いました。それをあとから見せるとすると、そのままその道具で穴の変化の操作をすることになります。

先に道具の方を見せておいて、つぎにカードを表向きにして、それが予言と違っていることを見せます。それからまた道具を取って、穴の形に変化させて見せる、とした方が、メリハリがはるかに良いのです。

このことから、予言現象のカードトリックにおいても、予言を先に見せるか、選ばれたカードを先に見せるか、どちらのやり方をするかによって、インパクトの差が出てくるということに気づきました。たいていの場合、予言の方を先に見せて、あとから選ばれたカードを見せるのがインパクトが強く、だれでも本能的にそのようにやっていると思います。

しかし例外もあります。'マコミカルデック'の場合は、予言の方をあとから見せてクライマックスとします。他に予言をあとから見せた方がよいものがあるかどうか、いまは思いつきませんが、いずれにしても、見せる順番によってインパクトが違ってくるということを、今回の例でしっかり把握しておくことにいたしましょう。