= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.302

2015年2月6日

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"マジック三部作"が完成間近!

昨年後半から進めてきた"カードマジック徹底研究"に加え、"天海奇術講座"、"マジシャンズストーリー"が近日中に完成いたします。"マジック三部作"という名称で、DVDに収録してお届けいたします。この三部作を同時に編纂したのには、大きな意味があります。

"カードマジック徹底研究"では、作品を解説するだけでなく、カードマジックをどのようにクリエートするか、どのように磨き上げるか、その考え方をお伝えします。

"天海奇術講座"では、石田天海のマジックに対する考え方をお伝えします。天海師のお話の音声データが含まれています。本文を読みながら、アイコンをクリックするとお聞きいただけます。

"マジシャンズストーリー"では、カーディニ、チャニング・ポロック、フレッド・キャップスなど、一流マジシャンたちの生い立ち、生き様、そしてマジックについての哲学など、そして笑えるような話や、思わずぐっとくるような素敵な話をお読みいただきます。

マジックを学ぶということは、トリックを学ぶだけでは十分ではありません。トリックの構成の中に秘められた戦略を知り、それをどのような演技で実行するか、そして自分がどのようなマジシャンとして人々に見てもらいたいか、そのような問題について参考にしていただくために、この三部作を編纂いたしました。

発売日、価格は、来週号にて発表いたします。


"カードマジック徹底研究"の内容



ページ数:pdf、106ページ、作品数:64作品

Part 1 部分の差し替え (13作品)

トリックの一部分を差し替えることによって、パワーアップした作品を収録しています。たとえば'アルティメイトカウントダウンエーセズ'は、原案ではデックの半分の中からカードを選ばせなければならないのを、デックのどのカードが選ばれてもできるようになりました。つぎのような現象です。

デックを表向きに広げて、よく混ざっていることを見せます。相手がデックを裏向きに持ち、好きなだけカットしたあと、トップカードの数を見て、その数だけカードをディールしてひとつの山を作ります。つぎのトップカードを見て、その数だけディールして2つ目の山を作ります。同様にしてあと2組の山を作ります。4つの山のトップカードを表向きにすると、それらは4枚のAです。

しかも原案では、最初にデックの表面を見せるとき、デックの半分しか広げられませんでした。このバージョンでは、全体を表向きに広げて、よく混ざっていることを見せられます。原案をはるかに超えた作品です。

Part 2 インパクト強化 (6作品)

このPartでは、現象の起こる瞬間のインパクトを強化した作品を解説しています。たとえば"加藤英夫作品集"の'フィンガーパワー・シングル版'を改案した'ハンドサーチ'では、つぎのような強烈な現象となっています。

スプレッドの上で両手を動かして突然両手を合わせると、両手の間に選ばれたカードが出現します。

Part 3 原理の徹底追求 (5作品)

このPartは、トリックに使われている原理を深く追求し、得られた新しい作品を解説しています。

"Card Magic Library" 第5巻に解説された、' チェニイのファイヴカードトリック'は、客がデックから任意の5枚のカードを抜き出し、マジシャンがそのうちの1枚を隠して、残りの4枚を別室の助手に渡してもらいます。助手は隠されたカードを当てます。原理を発展させて、つぎのような現象を実現いたしました。

相手が4枚抜き出して、相手がそのうちの1枚を隠します。残りの3枚を助手に届けさせます。助手は隠されたカードを当てます。


Part 4 技法の改善 (4作品、技法3種)

このPartでは、技法を差し替えることによって、効果が格段に改善された作品を解説しています。マジックカフェに投稿された'フリッパントリバース'というトリックは、つぎのような現象ですが、使われている技法を改善したために、怪しさの発生しないものとなりました。

選ばれたカードをデック中央に押し込んだあと、「あなたのカードだけをひっくり返します」と言って、デックを一振りすると、何とデック全体が表向きになってしまいます。ところがデックを広げると、1枚だけ裏向きのカードがあって、それが選ばれたカードです。「あなたのカードだけひっくり返りました」と言います。

Part 5 現象の複数化 (5作品)

現象を複数化することによってパワーアップした作品を解説しています。'大量のオイル&ウォーター'では、2つのやり方をつなげることによって、つぎのようなものとなっています。

最初にデック全体がよく混ざっているのを見せてから、6枚のカードで'オイル&ウォーターを演じ、そのあと残りのデックを広げると、赤と黒が分かれています。

Part 6 演出の改善 (12作品)

演出を加えることによって飛躍的に改善されるものがあります。ロバート・ニールの'モアライズ'は、数理トリック丸出しのトリックでしたが、コンピューターがマジックをやるところを見せる、という前置きで演じるだけで、洒落たマジックになります。

Part 7 ギャフでパワーアップ (4作品)

つぎのようなトリックがありました。

あらかじめ予言のカードが入っていると言って、封筒が置かれます。レインボーデックのように裏面が全部異なるデックをディールして、相手がストップをかけたカードを抜き出して、裏向きのまま置きます。つぎにデックを表向きにディールしていき、相手がストップをかけたカードを抜き出して、表向きのまま置きます。ここで予言のカードの裏と表を見せますが、選ばれたカードの裏と表と一致していません。しかしながら、選ばれたカードを両方ひっくり返すと、反対側の裏面と表面が予言と一致しています。

原案においては、裏面を見せるときも表面を見せるときも、デックの半分ずつしか見せられませんでした。あるギャフを加えることによって、裏面も表面も全体を広げて見せられるようになりました。。

Part 8 その他 (15作品)

このPartには、販売商品とすることもできる、2種類の強烈なギャフデックが解説されています。一方はノーマルデックに手を加えて自作できますが、他方は後日印刷して制作することも考えています。

そのひとつは、"Cardician's Journal"No.301 で取り上げたギャフ版' トライアンフ' です。すべての弱点を解決する方法を説明しています。

もうひとつは、私がこれまで発表を控えてきた、最強の作品、'精神統一'です。つぎのような現象です。

マジシャンはデックを何回もリフルシャフルしてから、ケースにしまいます。そして相手に52枚のうちの好きなカードを言わせます。マジシャンはケースに手をかざして精神統一します。そして「そのカードは上から○○枚目にあります」と宣言します。デックをケースから取り出して、まったくフェアにディールすると、その枚数目から指定されたカードが現れます。

周りを囲まれた状態でなければ、相手にカードをディールさせることもできます。


"カードマジック徹底研究"に収録されているすべての作品は、以下のリストで見ることができます。リストのいちばん下の部分をご覧ください。

CMML_10.xls



"天海奇術講座"、"マジシャンズストーリー"の内容は、来週号で説明いたします。