= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.304

2015年2月20日

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'スベンガリエッジデック'のすごさ

"カードマジック徹底研究"の中で最強の作品はと問われれば、躊躇せずに102ページに解説した'精神統一'をあげます。デックをよくシャフルしてからケースにしまい、相手に好きなカードを言わせます。ケースに手をかざして精神集中して、そのカードが上から何枚目にあるかを宣言します。デックをケースから出してその枚数をディールすると、そこから指定されたカードが現れるという現象でした。

この強烈なマジックに使われる特殊なデックは、私が'スベンガリエッジデック'と名づけたもので、そのすごさを具体的にイメージできるように、少し種明かしすることにいたしましょう。

エッジマークとは、カードの裏面とか表面ではなく、縁に印をつけるマーキング手法です。手前のエンドだけつけられていますから、後ろから見られないかぎり、マークを見られる心配はありません。

ですから"Cardician's Journal", No.302では、"周りを囲まれた状態でなければ、相手にカードをディールさせることもできます"と書きました。このデックを受け取った人にとっては、その人に見える手前のサイドも両側のサイドもまったくノーマルです。ディールしてもエッジマークを見ることはできません。

またエッジマークは、カードが複数枚重なっていて、マークのついているエンドを見れば見ることができますが、1枚のカードだけを持って、マークのついているエッジを見ても、その存在を知っていない限りは、認知できるものではありません。

さて、この'スベンガリエッジデック'では色々なことができます。ケースに入れないで手に持っていれば、相手が言ったカードの上か下にすぐブレークを作ることができます。ですから、昔から'INSTANTO'とか'Cardini Deck'とか呼ばれたデックで演じる、相手が言ったカードをカットして現すというのも、このデックで朝飯前にできてしまいます。

こんなこともできます。リフルシャフルしたデックの好きなところに、相手にジョーカーを表向きにさし込ませます。そのジョーカーをデックに押し込んでそろえた時点では、ジョーカーの上とか下にあるカードがわかりますから、ジョーカーの話を聞いて当てる、いわゆる'ウィスパリングジョーカー'を演ずることができます。

デックをリフルシャフルしたあとでも、どのカードがどこにあるかすぐわかりますから、デックを4組にカットして、トップからフォーオブアカインドを現すこともできます。4組にカットして現すだけでは色気がありませんから、まず両手の間に広げて相手に1枚抜かせます。相手が抜いた瞬間にそのカードがわかりますから、そのカードは相手の前に裏向きのまま置いておかせ、デックを3つにカットして、選ばれたのと同数の3枚を現し、それから選ばれたカードを表向きにさせる、というように演じると立派なマジックになります。

というわけで、"マジック三部作"をご購入いただいた方には、'スベンガリエッジデック'の他の使い方が参考になったと思います。これからも効果的な応用方法を考えたら、随時発表していきたいと思います。