= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.324

2015年7月10日

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"Tenkai"= Tenkai Palm?

アメリカのマジシャンの間では、'テンカイ'というのが'天海パーム'のこととしてよく使われます。

マジックカフェでの質問投稿につぎのようなものがありました。

デックをケースから取り出すときに、トップの4枚をテンカイに保持したいのですが、良い方法はありませんか。

この質問に最初に答えたのが私でした。

お願いですから、あの技法はテンカイパームと呼んでください。

すると別のメンバーからつぎのように投稿されました。

別にかまわないと思いますよ。だれでもテンカイと言えばテンカイパームのことだと知っていますから。

するとマジックカフェ屈指の知識人、エチエンヌ・ロウレンスからつぎの投稿がありました。

私は加藤さんに賛成します。テンカイはいくつもの技法や作品を発表してきました。ですからテンカイパームをテンカイと呼ぶのは、知識のなさを示していることになります。もしも皆さんがこの有用な技法の考案者をリスペクトするなら、正式な名称で呼んでください。あなたがいままでそのようなことに気を使ってこなかったとしたら、これからは過去の偉大なマジシャンたちに敬意を表するようにすれば、あなた自身もマジシャンとしてレベルアップすることになります。

すると初期投稿者がつぎのように投稿しました。

不適切な名前で呼んで失礼いたしました。

というようなやり取りがあったわけですが、その後も天海パームがテンカイとしてマジックカフェで投稿されるたびに、私は同様の投稿をし続けています。いくらスラングが標準語になっていくことがあると言っても、私はそれを許せないのです。

最近天海パームの研究のために、読むべき本を購入しました。そして'天海パームが'テンカイ'と呼ばれる発端を見つけました。それはロス・バートラムの"Bertam on Sleight of Hand"の中に天海パームについての章があり、その章のタイトルが"TENKAI"となっているのです。

もしかすると天国にいる天海師は、「加藤くん、そんなことは気にしなくていいよ。テンカイと呼ばれるだけでも有り難いことだ」と、微笑みながら言っているかも知れません。