= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.327

2015年7月31日

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現象のつながりに意味を持たせる

先週号の話の続きです。ただし、1枚のカードの除去法についてではなく、質問者がやりたいと考えていた、現象のつながり方における問題点についてです。

現象のつながりに意味を持たせなかったり、何か現象の流れに対してセリフを言わないで演じれば、あの現象のつながり方は、たんに現象を羅列しているだけに過ぎません。現象のつながり方として支離滅裂です。全部同じカードになったあと、全部違うカードになるところまでは、素晴らしいつながりであるとさえ言えます。そのあと、4枚のうち1枚選ばせると選ばれたカードである、というつながりがどうしようもないのです。

私は先週号の原稿をアップしたあと、自分のサイトをアクセスして、もういちどチェックをしました。チェックのために再読したとき、マジックカフェの質問者の説明した現象のつながりが、演出を加えれば成立することに気づきました。我ながら見事な発見でした。つぎのトリックを読んで、現象のつながりはマジックカフェの質問者の説明したものと寸分違わないことがわかるはずです。現象のみ書きます。

当たるも八卦
= 加藤英夫、2015年7月23日 =

マジシャンは3枚の数のカードの中に1枚の絵札を混ぜます。これからやるのは、絵札がどれであるか当てるゲームだと説明します。最初の現象は、相手がどのカードを選んでも絵札を当てることができるというもので、その理由はすべてのカードが絵札になっているからだと説明して、すべて絵札であることを見せます。

つぎの現象は、相手がどのカードを選んでも、絵札を絶対に当てられないことだということで、その理由はどこにも絵札がないからだと説明して、どれも絵札でないことを見せます。

最後はいちばん不思議な現象で、絵札が1枚もないのに、相手が絵札を当てることができると説明して、相手に1~4までの数を言わせて、その枚数目のカードを見せると、それが絵札になっているのです。


すべてが絵札であることを見せるのも、どこにも絵札がないことを見せるのも、いままでにある技法を使って実現できます。最後のフォースについては、先週解説した方法を使います。