= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.328

2015年8月7日

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Card Magic Video Lesson 第38回


今回は、以前ダウンロードしておいた動画ではなく、現在アクセスできる以下の動画を利用します。

https://www.youtube.com/watch?v=NY02H4bAO1s

これはスティーヴン・タッカーの、'Omega'というパケットトリックの演技です。ジョン・バノンの'Duplicity'というパケットトリックについて研究していたとき、似ている現象のものとして見つけた動画です。

4枚のAを2組使います。一方は表向きで他方は青裏の4枚です。裏向きの4枚のAを背後に運んで、予言としてその中の1枚をひっくり返すと言います。それから裏向きのパケットを前に出してテーブルに置きます。

表向きのパケットを背後に運び、相手に好きなAを指定してもらいます。ハートのAだとします。マジシャンはハートのAを見つけて、それを逆向きにすると告げて、背後でそれらしい動作をやります。

パケットを前に出して広げると、1枚のカードだけ裏向きで、ハートのA以外が表向きになっています。「予言としてこちらの中の1枚をひっくり返しておきましたよね」と言って、テーブル上の表向きのパケットを広げると、裏向きの3枚の中に、ハートのAが表向きになっています。予言が当たりました。

マジシャンは客に「どちらの組でハートのAがひっくり返っているのが不思議ですか」と問いかけると、客はテーブルの方のパケットを指さします。

マジシャンは「でもこちらの方が不思議なんですよ。なぜなら」と言って、手元の4枚のうち表向きの3枚をひっくり返すと、それらが赤裏なのです。そして手に残っている青裏の1枚に魔法をかけると、そのカードの表はブランクになっています。


他方のパケットを取り上げます。そのパケットは青裏の3枚の中に表向きのハートのAがあります。ハートのAを抜いてひっくり返すとそれだけ青裏です。マジシャンは「あなたがハートのAを選ぶことがわかっていましたので、他のAは必要ありませんでした」と言って、他の3枚を表向きにすると、それらは全部ブランクフェースカードです。

素晴らしいパケットトリックですね。でも、、、

どうもこの動画にはエディティングが含まれているようです。テーブル上の2組目のパケットを右手で広げるのがあまりにもナチュラルに行われていて、広げたカードもナチュラルな状態(フラット)になっています。

この部分がどうにかならないかと考えて、ひとつの方法を考えましたが、それについてはその方法がベターであるか確認できたら、後日説明いたします。

タッカーの動画にエディティング見つけたら、ジョン・バノンの'Duplicity'の動画の方にも、ちょっとしたエディティングがあるに気づいてしまいました。つぎの動画を見てください。

https://www.youtube.com/watch?v=50ByS4iAWnI

使うAを決めるとき"Whihc one of those would you pick to yourself?"と言っているのですが、"Which one of those"の言葉のまえに、音声を削除した痕跡があるように感じました。この動画からは、4枚の内のどのAが指定されてもよいように感じます。

参考までにつぎの動画を見てください。

https://www.youtube.com/watch?v=P97q-0wSmzM

「Aには赤と黒がありますが、どちらを取り出しましょうか」と問いかけています。この部分がバノンの動画では抜けていると思われます。

動画を見て研究する場合、エディティングが含まれている可能性も考慮して取り組む必要があるようです。