= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.344

2015年11月27日

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驚愕の朝

2015年11月22日朝、新聞を広げたときに驚愕が走りました。まえの晩にプレミア12の決勝戦があり、ネットで結果を知ってはいましたが、朝日新聞で記事を読もうとしたところ、韓国が優勝したことの記事の見出しがありません。日本がメキシコに勝って3位になったことは、"日本5発 3位"という見出しで書かれています。

どうしていままで大々的に取り上げてきたプレミア12について、優勝決定戦のことが書かれていないのでしょう。よく見たら、"日本5発 3位"の見出しのあとに、小さい字で"初代王者は韓国"と書いてありました。そして記事として韓国については、たんに13行だけ、日本についての記事の最後に付け足されていただけでした。

日本が優勝すると決めつけていて、負けてしまったがゆえに、朝日新聞も記事の書きようがなくなってしまったのでしょうか。ネットを見ると、負けたことを嘆く投稿に溢れています。色々と失敗の原因を指摘しています。終わってから意見を言うのは誰でもできます。

たしかに9回表の日本の投手は変化球を多用し、それがヒットを連発された一因になっているとは思いますが、ヒットを連発した韓国の打者を誉める投稿はひとつも見あたりません。いくら変化球が多用されても、それゆえに投手が打者を封じ込めるということだってあるはずです。

悪い結果だけを取り上げて批判するというのは、建設的なことではないような気がします。それよりも今回は、韓国が最後まで勝利をあきらめずに戦い、優勝したことを賞賛することの方が、私たちに有益になると思います。

もしも朝日新聞の1ページに、韓国の優勝をたたえる見出しと記事があったとしたら、それを見た韓国の人々はどのように感じるでしょうか。それがないのを知った韓国の人々はどのように感じるでしょうか。

日韓関係改善の根底にあるべきことは、お互いに仲良くなりたい、お互いを認め合いたい、そういう心の持ち方ではないでしょうか。朝日新聞にその気持ちが見られなかったことが、私に驚愕を与えたのです。

このようなことはマジックに無関係ではありません。韓国の最近のマジック界の発展に対する、マジック雑誌における記事において、韓国マジックの発展を賞賛するよりも、韓国マジックの弱点を指摘する記事がありました。

その記事では、韓国の最近のマジックは、体の正面からネタ取りするものが多いことが弱点であると述べています。私は韓国のマジシャンはテンヨーのマジックフェスティバルで優秀なマジシャンしか見ていませんから、そのようなネタ取りに気づきもしませんでした。この記事を読んで、「そうだったんだ」と思ったぐらいです。

たぶん記事を書いた人は、同じような原理を使った韓国マジシャンを多数見て、体の正面からネタ取りするのが明白なレベルのものも見て、そのようなマジックに辟易としていたのかもしれません。

たしかにラッピング多様のマジシャンばかり見続けたら、ラッピングそのものを批判したくなるかもしれません。ですが、ラッピング多用するスライディーニのマジックを見て、そのような批判をするでしょうか。一般の人が見たら、ラッピングやスリービングやトピットを疑うでしょうか。

マジシャンは種を知っていると、マジックを一般の人たちが感じるようには感じることができません。私はマジシャンと一般の観客が混じっていた、今年のテンヨーマジックフェスティバルでのLUKASのマジックを見て、観客が誰しも魔法を目撃したかのように反応していたのを目撃いたしました。

もしも韓国の最近のマジックの新しいやり方に何らかの欠点があるとしても、新しい分野を切り開いたことは間違いありません。私はそのことを大いに評価したいと思います。