= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.356

2016年2月19日

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リバーススベンガリデックの話の続き

まえにもマジックカフェでリバーススベンガリデックのスレッドがあり、'ACAAN'の使い方について書きましたが、今日はその後に投稿されたことに関して書きます。もういちどリバーススベンガリデックを復習しておきます。

リバーススベンガリデックは、フォースカードの方がノーマルな長さで、ノーマルカードの方がエンドショートになっています。したがってリフルもしくはドリブルオフすると、ノーマルカードの方が上になって落ちていきます。

ノーマルスベンガリデックでは、フォースカードの方がエンドショートになっていますが、その違いがどのような作用の違いをもたらすか、もっとも顕著なことは、デックを表向きにドリブルオフスプレッドしたときに、ノーマルスベンガリデックでは、フォースカードばかりが見えるように広がり、リバーススベンガリデックでは、ノーマルカードばかりが見えるように広がるということです。

私はスベンガリデックのもっとも基本的な2通りの使い方においては、リバーススベンガリデックはまったく不向きだと思っています。2通りの使い方とは、フォーシングデックとして使う場合と、フォースしたカードでストップ現象やアンビシャス現象を続けて演じ、最後に全部同じカードになってしまうという、標準的なスベンガリデックの手順を演ずる場合です。

ノーマルスベンガリデックでは、裏向きにリフルもしくはドリブルオフしてストップをかけさせたり、いくつかの山に分けて好きな山のトップカードを取らせることができます。これはフォースするときだけでなく、フォースカードをリビール(現す)場合にも、リバーススベンガリデックよりも都合がよいのです。

リバーススベンガリなら表向きにリフルシャフルできる、という意見も出ましたが、たったそれだけのためにリバーススベンガリを使うメリットはありません。だいたい、裏向きにリフルシャフルしても、表面を観客の方に向けてリフルシャフルすることだってできます。

そもそも、手順を演ずる場合、最後に表向きにドリブルオフスプレッドして、全部同じカードになったことを見せられるのが、ノーマルスベンガリデックを使うことの最大のパワーなのです。

"同じカードを見せるのはよくない"という人もいます。私はその意見に対してこう言いうでしょう。マジックカフェには投稿しませんでしたが。"それをやらないぐらいなら、スベンガリデックの手順を演ずる意味がありません"と。まあ、これは考え方の違いですから、反論されるに違いありませんが。

もしもそのクライマックスをやったことがない方は、せびやってみてください。つぎのようなセリフを言ってからやるのです。「なぜいままでのようなことが起きるかというと、どのカードもハートのKに変身させられるからです。ほらご覧ください」。

"そんなことをやったら、いままで見せたことが帳消しになってしまう"と思う方もいるでしょう。たとえ帳消しになったとしてもかまわないのです。そのクライマックスは、観客を十分に驚嘆させます。その強烈な不思議さを与える方が、いくつかの小さな不思議さの合計よりも、観客の心に残るのです。

今日書きたいことの本題から離れたまま、ずいぶん書いてしまいました。その後マジックカフェにつぎの投稿がありました。

コーナーショートでスベンガリデックを作れば、ノーマルスベンガリデックとしてもリバーススベンガリデックとしても機能するものを作れますよ。左上コーナーをリフルすれば、フォースカードが上になって弾け、右上コーナーをリフルすれば、ノーマルカードが上になって弾けるようにすればよいのです。

"それはよいアイデアだな"、と感心したのですが、とっくにそのようなアイデアを私自身が考えついていたことをすぐ思い出しました。ただし、私の考えたのはコーナーショートではなく、手前エンドを斜めにカットしたものを1枚おきに、左カット、右カットと交互にセットするものです。

このことを思い出しただけでも、マジックカフェのこのスレッドを見てよかったです。そのアイデアは実物は作ってどこかに眠っていますが、記録には書いてありませんでしたから。

色々な使い方がありますが、もっとも顕著な働きは、表向きにドリブルオフスプレッドしてバラバラに見せることもできますし、同じカードばかりに見せることもできるということです。その他にも面白い現象が実現できますが、それらについてはまたの機会にということにします。