= 加藤英夫のカードマジック研究報告 =

No.361

2016年3月25日

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カードハンドリングにおける角度について

"Cardician's Journal"用のメモの中に、'目から鱗のトップパーム'というのがありました。それはトップパームするときに、従来のどの解説書でも書かれているように、水平に持ったデックの上に右手をかけてパームするのではなく、デックを右に傾けてパームすると、やり方も簡単になるし、角度にも強くなるし、何よりも水平に持たれたデックに右手をかけるよりも、右に傾けたデックに右手をかけた方が、ずっとナチュラルに見えるのです。

そのパームについて書こうかと思ったのですが、いくつかの図を用意する必要もあるので、今回はやめておきました。そこで今回は、そのパームのやり方の根底にある、従来とは違う角度でカードの扱いを行う、ということについて考えてみることにしました。

すぐに思いついたのが、タマリッツリプレイスメントです。この技法もデックを水平に持ち、しかも正面に向けて持って行います。そのため、カードを裏向きに返すときに、左の方にいる観客にカードの表が見えやすくなります。

カードを露見させないようにするために、返すときに速く返したり、動作がぎこちなくなったりするマジシャンが多いようです。

ところがこの技法を、体を左に向けて、デックの裏面を観客の方に45度ぐらい傾けて行うと、カードの表が露見しないだけでなく、動作の見かけもナチュラルになります。

表向きに返すときに体を左に向けるのがナチュラルでないとすれば、表向きに返すときは正面でやって、裏向きに返すときに体を左に向けながら行い、それからトップカードを左の方に置く、というやり方もできます。

つぎはティルトです。デックを水平に持ち、真後ろから入れるやり方がたいていの解説書に書かれています。観客の目線が低い場合、下手をするとカードを中央にさし入れたことの錯覚が発生しない可能性があります。ティルトもまた、体を左に向けて裏面を観客の方に倒してやった方が、錯覚が発生しやすい可能性があります。これはいま思いついただけですから、ビデオに撮ってよく検討する必要があります。

そしてパスです。誰がデックを水平に持ってやると決めたのでしょうか。そもそも水平に持ったデックの上から右手をかける動作が、いかにも右手が何かの動作をやりそうな雰囲気を感じさせます。それよりも45度右に傾けたデックに右手をかけてやれは、たんに右手をデックに添えただけに見えます。

その状態で体を左に向けながらパスすれば、パスの動きはほぼ100%見えることはありません。

今日以上のように考えただけでも、デックの持ち方、動作を行うときの角度によって、技法が改善される可能性があることがわかりました。今後もこのことについてもっと研究しようと思います。