カードマジック研究室

No. 014

2016年10月21日




ダブルテープカードの機能

ダブルテープを貼ったカードを使うトリックを思いつきましたので解説させていただきますが、そのまえに、ダブルテープを貼ったカードのポテンシャルについて書いておきます。

ダブルテープをカードに貼って、そのカードを他のカードにくっつけるということは、まったく新しい考えではありません。そもそもあの’ブレーンウェーブデック’についてバーノンが”Jinx”に書いた時点では、ラフ&スムーズ加工ではなく、粘着力のある薬品を塗って使っていました。すなわち、摩擦力でカードをくっつけるのではなく、粘着力でくっつけるわけです。

ですからダブルテープというのは素材が変わっただけで、原理的にはバーノンが使ったものと違いありません。バーノンどころか、始まりを特定できないほど、古くから存在していたのです。

少し以前にあったダブルテープは、白濁していて、カードに貼るとその存在が見えてしまうものでしたが、最近は透明性が高くて、ほとんど認知できないものが売られています。

さて、ダブルテープをつけたカードの機能を整理してみましょう。

@くっつけることによって、表面もしくは裏面が変化する。
Aくっつけることによって他のカードを隠蔽できる。
Bくっつけることによって、シックカードとして機能する。
Cくっついていたカードを剥がすことによって、隠れていたカードを出現できる。
D1枚のカードを運ぶときに、密かにもう1枚のカードを運ぶことができる。
Eくっつけるか剥がすかによって、パケットの枚数を変えられる。

ざっとあげただけでも色々な機能があることがわかりますが、実際に作品の中で使われる実例を見ると、上記のような使い方が複合的に使われているものも多く存在します。

さて、今日思いついたトリックを解説いたします。

サッカージョーカー
= 加藤英夫、2016年10月21日 =

現 象

青裏のデックを使うとします。マジシャンはポケットから1枚の赤裏のジョーカーを取り出し、選ばれたカードを見つける探偵だと説明して、デックの中に入れます。それから相手がカードを選んでおぼえ、デックの中に入れて何回かカットします。

デックを両手の間に広げると、中央あたりに赤裏のカードがあります。赤裏のカードの隣からカードを抜いてテーブルに置き、選ばれたカードを名乗らせます。マジシャンは得意げに抜き出したカードを表向きにしますが、何とそれはジョーカーです。

「もしかすると」と言って、マジシャンはデックを広げて赤裏のカードを抜き出します。それを表向きにすると、それが選ばれたカードなのです。

準 備

青裏デックとは別に、赤裏のジョーカー1枚と、青裏のジョーカー1枚を使います。青裏の方はエンドショートにしておきます。赤裏の方の表中央にダブルテープを貼ります。そして青裏の上に重ねてくっつけます。この二重ジョーカーを胸ポケットに入れておきます。

方 法

ポケットから二重ジョーカーを取り出して、選ばれたカードを見つける探偵だと説明して、デックの中に入れてボトムにダブルカットします。

カードをディールしていき、好きなところでストップをかけさせます。最後に置いたカードを取り、表を見せておぼえてもらい、テーブルのカードの上に戻し、その上に残りのカードを重ねます。

デックを何回かカットしますが、選ばれたカードが中央あたりにいくようにやります。そしてデックの手前エンドを右親指で持ち上げて、二重ジョーカーを剥がし、そこにブレークを保持して、デックをリボンスプレッドします。

「これが選ばれたカードのはずです」と言って、赤裏カードの左隣のカード(青裏ジョーカー)を抜いて前に置きます。デックをいったん閉じます。(赤裏ジョーカーを中に入れたまま)。そしてデック中央を押して、赤裏ジョーカーを選ばれたカードにくっつけます。

選ばれたカードを名乗らせてから、得意げに抜き出したカードを表向きにします。ジョーカーなので驚く演技をします。

「もしかすると」と言って、デックをリボンスプレッドして、赤裏カードを抜き出して、スプレッドの上に表向きに返して置き、それが選ばれたカードになっていることを見せます。