カードマジック研究室

No. 016

2016年11月4日




ノーマルジョーカースタビング
= 加藤英夫、2016年10月30日 =

先週号で解説した'サッカージョーカースタビング'の演技動画を撮影しようとして、練習をやりました。先週号に書いたやり方を確認しないでやったところ、間違ってやってしまいました。

表向きのデックに表向きのジョーカーを投げ込まなければいけないところを、裏向きのデックの中に裏向きのジョーカーを投げ込んだのです。そしてデックを裏向きにリボンスプレッドして、赤裏のジョーカーの右隣のカードを抜き出して表向きにしたら、それは選ばれたカードでもジョーカーでもありませんでした。

赤裏のカードを表向きにすると、それはジョーカーでした。選ばれたカードはジョーカーの左隣にありました。

何のことはありません。裏向きと表向きを間違えてやったために、サッカー的なやり方ではなく、まともなスタビング現象となったのです。これはこれでひとつのトリックとして記録するに値します。

準備と方法は、スタブするときにデックとジョーカーの向きが反対である以外はほとんど同じですが、演技の最初にジョーカーを必要な位置に配置する部分を加えました。それによって、ノーマルデックで他のトリックを演じたあとに、このトリックを演じられるようになっています。

現 象

YouTubeに動画をアップしましたので、ご覧ください。

https://youtu.be/OBZ9D82qePw

方 法

「つぎにやるマジックには、ジョーカーを使います」と言って、ポケットからダブルのジョーカーを取り出して、デックのトップに置き、ジョーカーを指さして「これは他のカードと色が違います」と言います。上の赤裏ジョーカーを剥がして取り、テーブルに置きます。

「私が後ろを向いているときにやってもらうことを説明します。このようにカードを1枚ずつ置いていってください」と言って、カードを数枚ディールしてストップします。「好きなところでストップしていただきますが、もっとたくさん置いてからでも、どこでストップしてもかまいません」と言って、もう何枚かをディールします。

「ストップしたら、このように最後に置いたカードをのぞいておぼえてください」と言って、最後に置いたカードをのぞく真似をします。あなたがそれをおぼえる必要はありません。「そうしたらこのカードを戻して、残りのカードを上に重ねて、よくそろえてください」と言って、左手のカードをテーブルの上に重ねてそろえます。

以上の説明で、青裏のジョーカーはボトムにセットされました。

相手にデックを渡して、あとは先週号の説明どおりにやりますが、デックを裏向きに置いて、赤裏のジョーカーを裏向きでスタブします。サイドショートが弾けたところに投げ込むのです。

カードをそろえて、中央を押してテープをくっつけ、そしてリボンスプレッドします。赤裏のカードとその左隣のカードをいっしょに抜き出し、赤裏のカードを先に表向きにして、「このジョーカーがこのカードを見つけました」と言って、青裏のカードを指さします。選ばれたカードを名乗らせてから、そのカードを表向きにします。


ダブルのジョーカーをトップに置いて、上の1枚だけ剥がして取る方法は、他の色々なトリックでも必要になってくるので説明しておきます。

ダブルのジョーカーをトップに置くと、上はノーマルな赤裏ジョーカーで、下はサイドショートの青裏ジョーカーです。デックを左手に持ちますが、ディーリングポジションではなく、チャーリエカットするときのような、いわゆるレイズドポジションに持ちます。左親指の先がデックの左サイド中央に当たっています。

右手をデックの上にかけにいくとき、左親指の先でトップカードをリフルしてやると、そのカードだけ左サイドが持ち上がります。右親指をデックの左エンド近くに当てて、右親指を右の方にずらしてやると、トップカードが下のカードから剥がれます。

テープの大きさは8mm四方程度にしてください。あまり大きいと剥がれにくいですし、大きな音がしてしまいます。