カードマジック研究室

No. 027

2017年1月13日



現象の起承転結について

'起承転結'の文字の順は、初めに何かを行い、その結果として何かが起こり、それがさらに変化していき、最後に結末として締めくくられるという、シーケンシャルな事象のつながりを示しています。

そのような起承転結に当てはまらない演技の例を、以下のアドレスで見てください。もしも以下のアドレスで見られない場合は、"Unexpected Triumph"で検索をかければ、いくつものサイトで見ることができます。

https://www.youtube.com/watch?v=O-n6o6VXILY

見ていただいた例は、'起承転結'のうち'承'と'転'が欠落し、何かを行ったら、その結果として、こういうことと、こういうことと、こういうことが起こったという、複数現象がいっぺんに起こって終わる、というタイプのものです。

起承転結の流れというのは、'起'と'承'と'転'と'結'が、何らかの関連性を持ったものです。通常の'トライアンフ'では、裏表混ぜることが'起'であり、カード全体がそろうというということは、混ぜたことに対応する'承'に相当する現象です。そしてそろったのに1枚だけひっくり返っていることは、全体がそろったことに対するアンチテーゼ的なものであり、'転'に相当すると考えられます。そしてそのカードが選ばれたカードであることが、'結'に相当します。

見ていただいた'Unexpected Triumph'において、'承'と'転'を欠落させたこと自体が悪いとは思いません。"こういうことをやったらこうなった"というタイプとしてあってもよいと思います。しかしながら問題だと思うのは、'結'としてあまりにも多くの現象をいっぺんに起こしていることを、私は問題視しているのです。

しかも、それらの現象同士に何の結びつきも感じられません。デック全体が赤裏に変化したなら、選ばれたカードも赤裏に変化していれば、それはデックが赤裏になったことに呼応する現象です。

もしくは、デック全体の裏面は青色のままで、選ばれたカードだけが赤裏に変化していたというのなら、「魔法をかけ過ぎたのでこんなことになってしまいました」というようなセリフを言って、クライマックスとすることもあり得ると思います。

「デック全体は赤裏に変化したが、選ばれたカードはもとのままでした」というのが、'Unexpected Triumph'のクライマックスなのです。

私はトライアンフ現象とカラーチェンジングデック現象を前半と後半に分けて構成しました。その区切りをはっきりさせるために、カードケースを使用いたしました。以下にアクセスして、私のバリエーションをご覧ください。

https://youtu.be/QxzjZbQmXwY

このようなやり方を作りましたが、トライアンフ現象とカラーチェンジングデック現象を続けて演じることが、優れた連鎖であるかどうかはわかりません。まだそれがわかるだけ一般客に見せていないからです。でも私の演技タッチとしては、つぎのようなセリフでやるでしょう。

青裏ケースでトライアンフ現象を演じたあと、「このようにケースの中で不思議なことが起こるのですが、先日、間違えて赤いケースでやってしまいました。そうしたらこんなことになってしまいました」と言って、赤ケースに入れて魔法をかけ、そしてカラーチェンジングデック現象を見せます。