カードマジック研究室

No. 034

2017年2月24日



現象の複数化

いくら強烈な現象でも、それが突然起こって、起こったらそれでお終いというマジックは、不思議ではあっても面白いマジックではない傾向にあります。面白くない原因は、観客の頭の中で何かを想像させたり、考えさせたりするプロセスが欠如していることです。

その現象が起きるまでに、その現象の前触れになるようなことが見せられたり、その現象にまつわる話を聞かされることによって、観客の頭と心は、つぎに起こる現象を、より印象深く受け止める態勢が整います。つぎの例をご覧ください。

https://youtu.be/H9l_kkr7R1g

このトリックの原案である、"Card Magic Library"第10巻に解説されている、'ニューデックオーダー'は、強烈な現象です。完全によく混ざっているデックを4組に分けると、マーク別のAからKまでが整列しているのです。その現象をそれだけで見せて終わりとするのでは、不思議でも面白味がないと感じていました。そこで私はその最終現象のまえに、デックが赤いカードと黒いカードに分かれる、という現象を挿入したわけです。

それだけの追加で、ひとつのトリックから、ひとつのアクトに様変わりしたと思っています。

今回はやり方を解説いたしませんが、'ニューデックオーダー'を読んだ方なら、ちょっとセットを変えるだけで、'マジカルソーティング'が演じられることがわかるはずです。