カードマジック研究室

No. 035

2017年3月10日



天海パームからクラシックパームへ

マジックカフェにおける私の投稿をチェックしていたら、つぎのようなものが見つかりました。天海パームしているカードを、クラシックパームに移す方法がないか、という質問に対しての私の解答です。

状況が許すなら、つぎのようにすれば天海パームからクラシックパームに移すことができます。左手にデックを持っていて、右手に天海パームしているとします。いまあなたはデックを右手でつかみにいこうとします。

そのとき、パームしているカードの手前エンドが、左小指にぶつかるように位置させます。続けて右手を少しに手前にずらしながら、右手の指をパームしているカードを覆うように曲げます。そして同時にデックを上エンド中指と薬指、手前エンドを親指でつかみます。それから左手をデックから離すか、デックをそろえる動作に続けます。


質問者は私の解答を読んで、すぐその通りにやれたので、大喜びしていました。

このやり方を再読したときに、"Card Magic Library"第1巻、58ページに解説されている、'プッシュインコントロール'とが合体して、つぎのようなスチール技法を思いつきました。図の番号は、同書の58ページのものですので、同書を参照してください。

プッシュインスチール
加藤英夫、2015年12月25日

トップの2枚をダブルターンオーバーして、デックの上に返してアルトマントラップで受け止め、図136のように手前を右手でつかみ、図13のようにカードの表を相手に見せます。

デックの左サイドを左親指でリフルして中央あたりに右手のダブルのカードを入れ、図138、下のカードを図139のように右にずらします。その位置から右手を右にどけるのですが、そのときずれたカードを天海パームの位置におさめます。

そこから前述のマジックカフェに投稿したやり方につなげるのです。すなわち、右手をデックの上に運び、突き出ているカードを押し込みながら、天海パームの位置のカードをクラシックパームにおさめるのです。


マジックカフェに投稿したやり方は、デックをそろえるという理由で、天海パームからクラシックパームに移していますが、その利用は言ってみれば"取ってつけたような"理由です。さし込んだカードを押し込むという理由は、不可欠な理由です。

動作に理由をつけるというテクニック、それを天海師は"エクスキューズ"と読んでいましたが、理由付けの動作そのものが怪しく見えるということもあり得ます。

技法を怪しく見えないようにするには、動作そのものが怪しく見えないようにやるだけでなく、その動作をやること自体が怪しく感じさせないようにやることが重要なのです。