カードマジック研究室

No. 039

2017年4月7日



ミステリアスセブン
= 加藤英夫、2017年4月2日 =

"カードマジック創作講座"に、完成するまで12年以上かかった作品として、'ミステリーセブン'が解説されています。もともとはコンラッド・ブッシュが"MUM"1969年4月に発表した、'スペリングザカード'を出発点として、そのバリエーションとしてマジックカフェに'Ace of Clubs'と題して投稿し、さらにそれを改良させて'ミステリーセブン'として解説したわけです。

今回それを再読して、パスを使っているのが気に入りませんでした。ですから、パスを使わないということをひとつ目の課題としました。

ふたつ目の課題としては、選ばれたカードを見つけるためのスペードの7を、相手がカードを選ぶまえにデックの中に入れるのではなく、相手が選んだあとにデックの中に入れることにしました。

さらにもうひとつ、シャフルやカットによってスペードの7をしかるべき枚数目にセットするのを、シャフルやカットというコントロール技法ではなく、相手にやってもらうこと説明する中でやってしまうことです。

これらの改善によって、このトリックは"まあまあの作品"ではなく、"レパートリーにしたい作品"のレベルになったと思います。


方 法

デックを表向きに広げて、「よく混ざっていますが、念のためにシャフルしていただきます」と言って、相手にデックを渡してシャフルしてもらい、そして受け取ります。

「カードの中には不思議なパワーを持ったカードがあります」と言って、デックの表を自分に向けて広げ、まずフェースから8枚目のカードの左下コーナーを上向きにクリンプします。

なお、最初の7枚の中にスペードの7があった場合は、カットして広げ直すか、他の7を使うようにしてください。

カードを広げ続け、スペードの7見つけたら、それとそのカードのつぎのカードの2枚をバック(トップ)にまわします。それからカードをそろえて裏向きに持つと、トップから2枚目にスペードの7があり、ボトムから8枚目がクリンプカードとなります。

ダブルターンオーバーし、スペードの7を見せ、「これがいちばん不思議なカードです」と言って、ダブルターンオーバーで裏返し、「これはあとで使います」と言って、上の1枚をテーブルの右の方に置きます。

「私が後ろを向いている間に、あなたにやってもらうことを説明します。心の中で10から20までのうちの好きな数を決めてください。そしてその数だけこのようにテーブルに置いてください」と言って、8枚のカードをディールします。

「そうしたら、このカードをこのようにのぞいておぼえてください」と言って、左手のトップカードをのぞく真似をします。それをおぼえる必要はありません。

のぞいたカードを戻し、「そうしたら、テーブルのカードを左手のカードの上に戻してください」と、ディールしたカードを左手のカードの上に置きながら言います。

「ではやっていただきますが、最初に10から20の間の数を決めてください。決めましたね。その数を忘れないでください。では説明したようにやってください」と言って、デックを渡して後ろ向きになります。

相手が終わったら前に向き直り、デックを受け取ります。「あなたがおぼえたカードがどこに行ったかわからなくなるように、何回かカットします」と言って、何回かカットしますが、最終的にクリンプの下でカットします。そしてトップから5枚目程度にブレークを作ります。

テーブルに置いてあるスペードの7と思われているカードを右手で取り上げ、「いまからこのスペードの7をあなたのカードがあった位置に入れます」と言って、ブレークの中にさし込んでそろえます。

「カードを数えながら置いていきますので、あなたが置いたのと同じ枚数を置いたときに、ストップをかけてください」と言って、数えながらディールして、ストップがかかったらストップします。

左手のトップカードを指さして、「これがあなたのカードがあった位置です。もしもこれがスペードの7だったらこのマジックは成功です」と言ってから、そのカードを表向きにします。「ほらうまくいきました」と言います。

「でもこのスペードの7が不思議なパワーを発揮するのはこれからです。7ですから、あと7枚置いてみましょう」と言って、スペードの7を脇に置き、左手のカードからあと7枚ディールします。

「あなたのカードは何でしたか」とたずねてから、左手のトップカードを表向きに返します。

かくして、考え始めてから13年目にこのトリックが完成いたしました。