カードマジック研究室

No. 044

2017年5月12日



2回ディールすることを正当化する

前号において、澤浩さん宅で演じたカードトリックのことを書きました。とんでもない駄作を見せてしまったことを悔やみましたが、そこであきらめるような私ではありません。よくなかった理由を検証することによって、今後の研究に役立つはずだと考えて、とにかく複雑さを発生する部分を可能なかぎり除外して、つぎのような演じ方に変えました。

https://youtu.be/ZhmT44Ndm3M

このように変えたからといって、このトリックの根底にある原理は、不思議さを生み出す効力は弱いかもしれません。ですから、いくら考えても時間の無駄かもしれません。しかしながら、動画でも述べているように、いちどディールしたパケットを集めて、またディールしてパケットを作るという行為を、現象を見せるための行為に差し替えたということは、私にとってはひとつの収穫でした。

このトリックの演じ方については、"Cardician's Journal Special"Vol.1の、'合コントリック'を参照してください。ほとんど同じです。

異なる点のひとつは、4、5、6、7のカードを使わずに、セリフで客に数を選択させている点です。数のカードを使わないで、セリフで4人部屋、5人部屋、6人部屋、7人部屋と言って演じた方が、演出が明確になります。

もうひとつの点は、パケットを重ねる順番を客に指定させるということをせずに、たんに順番に重ねます。その方が、いかにもパケットを意図的に重ねるよりも、怪しさを発生させません。4人部屋から順番に結果を見せていく、というのはおかしいことには見えないと思います。

フォールスシャフルについては、"Card Magic Library"第10巻に解説の'プルアウトヒンズーシャフル'を使っています。

澤浩さんにも"カードマジック研究室"のアクセス方法をお教えいたしましたので、この動画を見られることと思います。「加藤さん、それほど違いませんね」と言われそうな心配もあります。その場合は、私が悪いのではなく、このタイプのトリックの原案者である、ヘンリー・クリストに責任をとってもらいたいと思います。